女子大生の「考える」記録

将来報道に携わりたい女子大生です。考えたことを文字にします。

シエラレオネ内戦


今日観たテレビの中で、日本に17年間住むシエラレオネ共和国の人の里帰りに密着する番組があった。

彼は17年前に来日し、3週間だけ日本に滞在する予定だったが、その間にシエラレオネでは内戦が激化、帰れなくなったそうだ。
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(ホムカミ FBページより)



日本ではあまり馴染みのない国だ。私自身も、この番組を見て知った国である。

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(Yahoo 地図より)

外務省ホームページによれば、西アフリカに位置するこの国は、1808年に英国の植民地になり、1971年に独立し共和国となった。人口610万人とかなり小規模で、6割がイスラム教である。

90年代から、この国で産出されるダイヤモンドを財源に、反政府組織である革命統一戦線による戦闘が断続的に続いた。

番組に出ていた彼の家族は、父親は内戦によって殺され、兄弟は近隣国に逃げ、家には弟のみが、残っていた。内戦によって、家族がバラバラになってしまったのだ。

この時、国全体でも死者が7万5千人、難民は200万人にも上った。

また同時に、この内戦は「世界一残酷な戦争」とも言われた。革命統一戦線は、市民の体の一部を次々と切断していったのである。それは大人だけでなく、子どもにまで及んだ。

武器を持った者が何の罪もない弱い者を攻撃する。そして人々は心に大きな傷を負う。それが戦争だ。加えて、シエラレオネの人々は体に残る形でも大きな傷を残された。

番組の彼は、里帰り中に家族や友人に会い、相手が嗚咽を漏らしながら涙を流す度にこう言った。
「泣くな。会えたんだからいいじゃないか。」
この言葉には、もう悲しい過去を忘れよう。そういった思いがあるのだと私は解釈した。

しかし、心の傷、体の傷を残された市民の中には、そうやって前向きには思えない人も多くいるだろう。

彼らは歌う。
「二頭の像が戦ったなら、1番傷つくのは足元の草。それが俺たちさ。」




内戦や紛争の原因はその地域によって様々である。シエラレオネのように財源争いもあれば、宗教、民族が根底にある場合もある。

だが共通している点がある。必ず弱者や一般の人々が傷つけられ、苦しめられるということだ。権力の脅威とはまさにこのことである。


今のシエラレオネ共和国は、2007年に大統領に就任したコロマ大統領を筆頭に、内戦復興期から開発期に入るほどの復興を遂げてきた。治安もかなり安定しているそうだ。

国のより一層の発展が人々の心の平和につながることを願うばかりである。