軽減税率をめんどくさい…?
消費税10%になった時に負担軽減緩和を目的に生活必需品の税率を低く抑え、国民の負担を軽減する政策として、財務省が出した「給付案」か、「軽減税率案」かで論争が起きている。
「給付案」は10%のまま買い物をし、後に負担金に見合う金額(2%分)が後払いされる。一方、「軽減税率案」は買い物する時から8%とされている。どちらも実質的には8%負担になる。
しかし、この給付案は穴だらけだ。
まず、消費者は最初から10%の税率で買い物をせねばならないため、第一印象として経済的にも、精神的にも負担が大きいという点。
1000円の買い物をする時に、1100円であるのと、1080円であるのは、確かに大きな違いであろう。食品など、日々必ず消費するものなら尚更だ。
次に、給付される際の手間がかかりすぎるという点だ。財務省はこれを、マイナンバー制度を活用し、購買の際に、マイナンバーの書かれたカードを提示することで各個人の消費量を把握するという。国民からすれば常にカードを待ってなんていられないし、またお店側も専用の機械導入のために大きなコストがかかる。全く現実的ではない。
一方、軽減税率は上2つの穴の心配はないし、実際に世界の複数国が導入している。
読売新聞9月10日の記事によると、イギリス、ドイツ、フランスなど、欧州ではすでに定着したものとなっており、フランスに関しては1986年に最初に導入されており、その歴史は長い。
2014年4月に、消費税が5%から8%に引き上げられた際、GDPは2四半期連続のマイナスとなった。これにより10%の引き上げは2017年まで延期となった。消費は一年だった今でも鈍いと言われている。 消費税の引き上げというのは、それくらい 国民消費において大きな影響を及ぼすものだ。
今後の国民消費をさらに衰退化させる懸念もある中で少しでもそれ食い止めたい。そのためには、国民の視点に立てば、自ずと軽減税率案が妥当であるというのが見えるのは間違いない。
マイナンバー制度と抱き合わせにしたこの給付案。私には、政府の「都合」にしか見えない。
また、財務省はさらに給付額の上限を年4000円と定めていたが、与党からの反発もあり、今日になって5000円に急遽引き上げ修正をした。このように、与党の顔を伺いながらやってるようでは、先はさらに危ういのでは……